スタジオのレイアウトを変更した。
先日、若くして突然旅立ってしまった友人。
彼の残していったスピーカーJBL4312Mk IIを受け継ぐことになった。
このスピーカーは、オーディオマニアの世界ではジャズを聞くスピーカーとしての名器。彼は、昨今、このスピーカーで、数多くのテクノ、エレクトロニカ、他、個性際立った作品を多く残して行ってしまった。いつも尖っている音楽を発していたという印象が僕にはあるのだけれど、最後に残していった作品は、悲しいけれど、どことなくやさしくて、清々しくもある。きっと、彼は彼のエネルギーを全て使い切ったのだろう。
このスピーカーを設置するにあたって、以前のレイアウトでは対応しきれなくなって、ほぼ、まるまる3日間を費やし、コンソールをスタジオの中央に移動し、それにともなって配線も再度考え直し、いろいろなトライをしながら音を探っていった。どういう状態が一番しっくりくるのか試行錯誤の繰り返し。この時間も充実していた。
このJBLに合うアンプはなにかと調べてみると、その中にSANSUIがあった。偶然にも、3ヶ月ほど前にそのルックスに惹かれ買った
SANSUI-AU777Dがありこれでドライブしてみたところ、気持よく優しく包み込むような音。新しい世界が開けたと言ってもいいような音がする。十分な空間が創られ、その空間の中にレコーディングされた音のひとつひとつが十分な存在感をもって現れるようだった。
彼は、このスピーカーの前でどこれだけの時間を過ごしたのだろう。そう思うと、それを受けつぐことを光栄に感じ、さらに良い音楽を創りたいと思う。
R.I.P
Salmon /Kenji Kikuchi
時知らず